ネイチャーエンジニアの足あと

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バードアイランド・三宅島を訪れて分かった「自然を求めて定住する人の気持ち」

アカコッコ

ネイチャーエンジニアの亀田です。


先日伊豆諸島の1島である三宅島を訪れて来ました!


三宅島へはフェリーか飛行機で行けるのですが、飛行機であれば調布からなんと1時間足らずで行けてしまいました。


ちなみに三宅島は「バードアイランド」とも呼ばれる島。


僕は今まで8島ほどの離島で自然観察をして来ましたが、三宅島は本当に野鳥の気配の濃い島でした。


三宅島での旅を経て、少し「自然を求めて定住する人の気持ち」が分かってしまった程です。


というわけで、今回は三宅島で体験した自然観についてお伝えします。




 

三宅島の豊かな自然

三宅島は野鳥の楽園【バードアイランド】

三宅島は伊豆諸島の1島であり、「バードアイランド」と呼ばれるほど野鳥の多い島です。


離島らしく独自の生態系があり、固有種や独自の進化を遂げている動植物もたくさんいます。


例えばアカコッコは、伊豆諸島とトカラ列島でのみ見られる日本固有種です。


アカコッコ

アカコッコ

繁殖期のピークを過ぎているためか、警戒心が強く撮影させてもらえない泣(アカコッコは、以下で紹介しているアカハラによく似ています↓)


また本州のメジロとは異なる進化を遂げた、シチトウメジロ(メジロの亜種)などもいます。


シチトウメジロ

シチトウメジロ

本州のメジロよりも体が大きく、くちばしが長い(以下の記事で詳しく紹介しています↓)


ちなみに三宅島は火山島であり、しばしば大きな噴火を起こしています。


直近では1983年、2000年に大きな噴火がありました。


島のあちらこちらで噴火の痕跡を見ることが出来ます。


三宅島 七島展望台

三宅島

写真の黒い土のような部分は、火山の噴出物。


現在も山の中心部には火山ガスの濃度が濃い場所があるようで、立入禁止区域が設けられています。


ちなみに上の写真では火山ガスでモヤっているように見えますが、天気が悪かったので普通の雲だと思います。(雲が晴れる日はなかったので、山がはっきりと見える日はなかった)


このように、三宅島は豊かな自然と厳しい自然を同時に見ることのできる場所なのです。

三宅島は野鳥の種類数だけでなく、「個体数」が多い!

先述した通り、三宅島にはこの場所ならではの多様な生物がたくさん見られる場所なのですが、それ以上に驚いたのが「野鳥の個体数」。


シチトウメジロが目の前にいたので、カメラを構えていると、メジロたちがちょっとずつ移動している間に他の野鳥たちが現れます。


メジロ → ヤマガラ → メジロ → シジュウカラ → コゲラ → メジロ


と、野鳥たちの出現が止まらない


上のように、次々と鳥が現れるシーンには何度も遭遇しました。


また、天然記念物であるカラスバト


カラスバト

カラスバト


カラスバトは以前、奄美大島で出会ったことがありますが、この三宅島にいるカラスバトの数は半端ない。


カラスバトは警戒心が強く、気付かれるとバサバサッと飛んでいってしまうのですが、その羽ばたきの数がすごい。


率直に言うと、ウジャウジャいます


まさしく、バードアイランドだと思いました。

三宅島を訪れて感じたこと

自然を求めて定住する人の気持ちが少し分かった

僕が各地で自然観察する道中で出会う人と話していると、しばしばこんな話を聞きます。

「元々野鳥観察をずっとしてきたけど、この場所に来て感銘を受けて引っ越して来た」
「一度訪れてピンと来て、この場所で一生過ごすことを決めた」


特に野鳥観察をしている人の発言が不思議でした。


今まであちこちを回って色々な野鳥を見て来たはずなのに、なぜ定住を決めたんだろう?」と。


なぜなら、1箇所に決めてしまったら見られる鳥の種類がある程度決まってしまうはずだから。(しょっちゅう遠出すれば良いけど、それなら引っ越した意味があまりない)


僕の考えでは、しがらみがなく生き物ベースで住む場所を決められるのなら、

・拠点を複数持つ
・時期や期間に応じて住む場所を変える

の方が、色々な場所で色々な生き物を観察できて良いんじゃないか、と思っていました。


だけど今回の三宅島の旅で数多くの野鳥の姿を見たり声を聞いていたら、初めて出会った方達の気持ちがちょっと分かったのです。


朝起きて毎日こんなふうに野鳥たちの美しい声が聞けたら、すごく気持ち良いだろうな」と。


僕は7月に入ってから訪れたので、鳥たちのさえずりの聞けるシーズンとしては後半だったと思うのですが、それでも彼らの歌がよく聞こえました。


あちこちの森で歌っていたイイジマムシクイ

イイジマムシクイ


これがピークの時期だったなら、きっともっと鳥たちの歌でにぎやかになっているでしょう。


これが表しているのは、生き物の魅力は多様性や種類数だけではないということ。


人の心を動かしてしまう生き物たちの新たな魅力の一つを、心で感じることができました。

豊かな自然の残る場所が増えれば良い

そんなわけで今回三宅島を訪れたことで、貴重な体験ができました。


でも、僕は今の所はまだ一箇所に定住を決め込む予定はありません笑


冒頭でお伝えした通り、僕は離島を含む様々な場所で自然を見て来ていますが、三宅島のように濃い自然の見られる場所はあまり多くないです。


でも、各地が三宅島のように濃い自然が見られる場所になったら素敵ですよね!


なので僕は今は日本各地でそういう場所がもっと増えるように、自然の魅力を伝えたり・自然を守ることを推し進めていきたい。


改めて、それに気付けた旅でした。


もっと様々な場所を巡って色々な自然を見て、試行錯誤をしていきたいと思います!


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では、また。


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